WIRELESS

POWER TRANSFER

電磁界共振結合を用いたワイヤレス電力伝送(Wireless Power Transfer : WPT)が実証されて以来,高効率かつ中長距離の電力伝送が可能となりました。これにより,電源ケーブル無しで電力が得られるユビキタスエネルギー社会実現への扉が開けたと言えます。私たちの研究室では電磁界共振結合の基本原理を始め,走行中ワイヤレス給電や様々なアプリケーションに関する研究を幅広く行っています。

電磁界共振結合の特性解析

磁界共振結合は高周波交流の磁界を用いて電力伝送を行う一つの方式です。電磁誘導と決定的に異なる点は共振の有無にあり,磁界を結合するためのコイルと共振させるためのコンデンサを使用することで高効率な大電力伝送が実現可能です。かつて複数給電やクロスカップリングの研究を行っていましたが,近年では金属壁介入時の電力伝送などのテーマにも着手しています。また,磁界だけでなく電界共振結合でも回路理論をメインに取り組んでいます。

走行中ワイヤレス給電

電気自動車の走行中給電に向けたワイヤレス電力伝送に関する研究を行っています。バッテリに溜めた電気エネルギーを積載して走行するのではなく,走行中に地上から得る電気エネルギーをその場で利用する新しい電気自動車の姿を目指します。これにより充電時間や重量,コストの面で制約のあるバッテリを小さくすることが可能です。電気自動車への応用では,コイル設計やインピーダンス制御による効率最大化,過渡応答まで考慮した設計などパワーエレクトロニクス技術と組み合わせて取り組んでいます。